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企業向け火災保険の料率・商品改定 について

2021年1月より損害保険各社では企業向け火災保険の保険料率 及び 商品改訂を予定しています。

「令和2年7月豪雨」も記憶に新しいところですが、昨今の自然災害の頻発に伴う多額の保険金支払いを受けての措置と考えられます。

また、昨年10月の火災保険参考純率の改定も、各社の保険料改定に大きく影響しています。

火災保険参考純率改定の概要は、以下をご参照ください。(損害保険料率算出機構ホームページ)

https://www.giroj.or.jp/ratemaking/fire/201910_announcement.html

 

各種改定の中でも、「水災」補償の取扱いについて、各メディアでも注目を集めていますので、ご紹介します。

【 日本経済新聞 2020年8月3日 】(抜粋)

損害保険大手が企業向けの保険で水害リスクに応じた地域別料金を導入する。(略)

自然災害への保険金の支払いは過去最高となった2018年度から2年続けて1兆円を超えた。

地域別の保険料は契約先企業に災害への意識を高めてもらい、リスクの高い場所への立地を減らして保険金の支払いを抑える狙いがある。(略)

大手は21年1月から場所で保険料を変える仕組みを取り入れる。

東京海上日動火災保険は、水害を補償する保険料を国土交通省のハザードマップの洪水データと連動させる。

河川が氾濫した場合の浸水の深さの想定により、保険料率を3段階に分ける。(略)

損害保険ジャパンは、自治体の地形データなどをハザードマップと組み合わせ保険料率を計算する。(略)

ハザードマップは浸水予想などを地図で示すもので、15年の法改正で「千年に一度程度」の大雨を想定するよう基準が厳格化された。

だが改定が進んでいない自治体が多く、民間が十分に活用できるようにするには改定作業を急ぐ必要がある。

三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険は、ハザードマップとの連動を見送り、当面は都道府県ごとに差をつける。

県別より細かく保険料を変えられるハザードマップとの連動は、自治体の改定の進み具合をみて検討する。(以下略)

 

このように、各社で水災料率の考え方が分かれています。

 

弊社取扱いのAIG損保でも、水災料率については保険の対象別・都道府県別に料率を細分化します。

また、火災保険自体の保険料水準の見直しも行い、企業向け火災保険については引上げを予定しています。

その他、近年の金利動向を踏まえ、長期係数の改定により、保険期間4年以上の長期係数が引上げとなります。

企業向けの主力商品である「企業財産保険」(プロパティーガード)の保険期間は、最長10年から最長5年に改定となります。

 

上記のように、企業向け火災保険料は全体的に値上げとなり、お引受けの保険期間も短期化の傾向が見られます。

損害保険各社も5年を超える将来のリスクを現段階では予測不能と考え、お引受けに慎重となっているようです。

 

各損害保険会社、保険商品、立地や物件構造、補償対象物により、お引受け方法や保険料も変わってきます。

先が見えない時代だからこそ、万が一の際に、きちんと補償される保険への加入が重要となってきます。

ご不明な点、ご要望等ございましたら、お気軽にお声掛けください。

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