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自動車保険の「トリプル無制限」について

最近よくTVやラジオの自動車保険のCMで「トリプル無制限」というワードを耳にします。

この「トリプル無制限」とは、「対人」、「対物」補償の「無制限」 に加え、「人身傷害」補償の「無制限」 のことをいいます

「対人」、「対物」補償については「無制限」 がもはや当たり前になってきている中、

「人身傷害」補償の「無制限」 は本当に必要なのかどうか について触れていきます。

 

「対人」、「対物」補償の無制限 が、なぜ必要なのか?

保険金額 ( 保険金の支払限度額 ) が「無制限」とは、自らが負担する損害賠償責任の額が

文字通り「無制限」( 支払われる保険金に上限がない )ということです。

一般的に、自動車保険で保険金額を「無制限」にすることができる補償には

「対人賠償保険」や「対物賠償保険」、「人身傷害保険」があります。

以前から、特に、「対人賠償保険」と「対物賠償保険」は「無制限」にしておくべき補償だと言われています。

 

「対人」補償を「無制限」にするべき理由

「対人賠償保険」とは、自動車事故によって他人を死傷させ、法律上の損害賠償責任を負うことによる損害を補償する保険です。

法律により全ての自動車に加入が義務付けられている自賠責保険( いわゆる強制保険 )で支払われる限度額を超える部分について、

保険金額を限度に保険金が支払われます。

 

対人賠償保険の補償対象 の例

・自動車を運転中に歩行者をはねて、死亡させてしまった。

・脇見運転をして前方の車に追突し、その運転者に軽傷を負わせてしまった。

・酒気帯び運転をして電柱に衝突、同乗していた友人に重傷を負わせてしまった。など

 

自賠責保険の支払限度額

・傷害による損害 → 120万円限度

・後遺障害による損害 → 4,000万円限度

・死亡による損害 → 3,000万円限度

 

◆相手の自動車に追突して相手にけがをさせてしまい、そのけがについて500万円の損害賠償責任を負うことになった場合

500万円( 損害賠償額 )-120万円( 自賠責保険の支払額 )=380万円 が対人賠償保険で支払われます。

「自賠責保険」でもある程度の補償はカバーできますが、交通事故で相手を死亡させたり、

重度の後遺障害を負わせてしまった場合、損害賠償額が1億円や2億円を超えることも珍しくありません。

人身事故による損害賠償額は、相手が実際に必要となる治療費だけでなく、

休業損害や逸失利益など、事故に伴う「間接的な損害」も含めて算出されます。

様々な時代背景のもと、いわゆる「命の値段」の高額化も、「対人」補償を「無制限」にするべき大きな要因になっています。

 

「対物」補償を「無制限」にするべき理由

「対物賠償保険」とは、自動車事故によって他人の財物に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負うことによる損害を補償する保険です。

 

対物賠償保険の補償対象 の例

・運転を誤り、他人の家や物を破損してしまった。

・降車時に開けたドアが隣に駐車中の車にぶつかり損傷させてしまった。

・酒気帯び運転をしてガードレールに衝突、ガードレールを倒壊してしまった。など

人身事故ほどではないものの、物損事故でも損害賠償額が1億円や2億円を超えることはあります。

物損事故による損害賠償額は、破損してしまった物の修理にかかる費用だけでなく、

休車損害や営業損失などの事故に伴う「間接的な損害」も含めて算出されます。

◇ 直接損害 → 被害を受けた物そのものの損害。( 車両修理費、建物修理費など )

◇ 間接損害 → 休車損害、代車費用、店舗などの営業損失など。

 

「対人」も「対物」補償もやはり無制限 にしておけば安心です。

 

それでは、「人身傷害保険」は無制限にする必要があるのかどうか? について考えます。

「人身傷害保険」の補償対象

自動車事故による自身や同乗者のケガの治療費( 実費 )や、後遺障害による逸失利益や介護料、

精神的損害、働けない間の収入等を、保険金額を上限として、過失相殺による減額なしに補償を受けられます。

( 事故の相手から補償されるべき金額は重複しては受け取れません。)

一般的には3,000万~5,000万円の保険金額にて契約している方が多く、

「無制限」での契約は全体の10%程度とも言われています。

しかしながら、「人身傷害」補償も「無制限」で契約するメリットがあります。

メリット

家計の柱となっている方が死亡したり、重い後遺障害を負ったりした場合でも安心できる。

デメリット

保険料が高くなる。

⇒ しかし、この「人身傷害」補償は、保険金額を増額してもそれほど保険料は変わりません。

( 例えば保険金額「5,000万円」を「無制限」にしても、年間でわずかな金額(数百円)の上乗せで補償を付けることができます。)

 

【 まとめ 】

自動車事故の相手方や対象物、同乗者にもよりますが、

万が一の際に困らないようにするため、ぜひ「対人」、「対物」、「人身傷害」補償の「トリプル無制限」を備えておくと安心です。

保険料の違いを計算、比較して頂き、「意外と変わらない、安い」と感じることができれば、補償を万全な体制にしておくことをお薦めいたします。

 

ご不明な点がございましたら、お気軽にお声掛けください。

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